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追悼ミサ・スピーチ


Bro. Maurice

ブラザー・モーリス・ラポヮント

2006年3月11日(土)
東京都 千代田区 六番町 14-4
四谷 雙葉学園 内 カトリック 幼きイエス会修道院


私は以前日本に来たことがあります。1979年のこと。フィリップを訪ね、日本のラ・サール会の活動について学び、比較教育学についてまとめました。 以来ずっと、また日本に行ってみたい、と願っていました。フィリップが荷物を抱えてカナダに戻るたび、「その荷物を持って一緒に日本へ行こうか」と冗談を言ったものです。今回、まさか、このようなことで日本を訪れることになろうとは夢にも思いませんでした。

ここにいるスザンヌとレアルは、フィリップの良き友人です。今回の来日は、スザンヌ、レアル、そして私にとって巡礼と感謝の旅となりました。

フィリップが歩いた同じ道をたどってみたい、というのが私たちの希望でした。といっても、フィリップのように山登りはできませんし、スキーに行ったり御狩野(みかりの)でゆったり過ごすことまではできません。
フィリップが日本での生活を始めた鹿児島には、ぜひ行ってみたいと思いました。桜島やフィリップが教鞭をとった学校のことを心に刻みたかったのです。
鹿児島は、フィリップのこれまでの実りある業のスタート地点でしたが、今度の旅は、仙台から始めました。仙台は、フィリップが日本での最後の仕事を自分にふさわしく花咲かせたところでした。私たちはフィリップが祈ったその場所で祈り、同僚の人達とお会いしました。
そして、私たちは今、鹿児島を経て、東京にいます。東京では、フィリップは日野の修道院にいましたが、フィリップの友人の多くが今もその東京で働き、暮らしています。私たちはフィリップが住んでいたところを訪れたかった、というよりは、むしろ、そこでフィリップと親密な人間関係を築いて下さった人達にお会いしたかったのです。

フィリップは、いろいろな意味で"メイド・イン・ジャパン"でした。
これは、フィリップが昨年離日前、3月末に上智大学で行ったお別れ講演でみなさんに申し上げたとおりです。
フィリップは、日本文化と日本の生活スタイルをこよなく愛しており、日本の生活にすっかりなじんでいました。25歳で来日してから、フィリップはここ日本で人間形成を行いました。フィリップは日本でとても幸せでした。ラ・サール会のブラザーとしてふさわしい仕事をすることができ、魂の奥底からの声に応えることができる、と日々感じていました。
私たちは、フィリップがこの地で多くの業績をあげ、幸福だったことに感謝しております。この心からの感謝の気持ちをみなさんに捧げたい。これがこの旅のもう一つの目的です。

みなさんは、フィリップと友情を育んで下さいました。このミサに参列して下さっていることだけでそのことがわかります。みなさんは、フィリップとともに時を過ごし、ともに行動し、ともに考え、家族のように接して下さいました。
フィリップが日本で幸せだったのは、もちろん仕事のためもありますが、こんなにたくさんのみなさん方が長い間にわたって友情を築いて下さったからです。それはフィリップが大事にしていた、色々なグループの人達と写っているたくさんの写真からもわかります。写真の中でフィリップはいつも微笑んでおり、幸せそうです。
カナダにいるフィリップの家族や友人を代表してお礼申し上げます。

この旅で、私たちが個人的にお礼を申し上げたかったのは次の方々です。
  ・お悔やみのメッセージを送って下さった方々(みなさんのメッセージには感激しました)
  ・お悔やみのメッセージを転送して下さった大友先生とホルヘ先生
  ・追悼文、回想文などを翻訳して下さった嶋田さん
  ・遠路はるばるオッタワまでお越しいただき葬儀に出席して下さり、その上、
   鹿児島で歓待して下さった窪田さん

特にホルヘ先生には感謝申し上げます。ホルヘ先生は、この旅を計画され、行き届いた世話をして下さり、旅にも同行され、私たちのいろいろなお願いを快く引き受けて下さいました。マーク先生とラベル先生も同行いただきました。感謝申し上げます。

ラ・サールOBの方々、友人の方々、それから教会関係者の方々は、この追悼ミサと偲ぶ会の後の会合まで準備して下さいました。感謝申し上げます。

ここは神を崇め、祈りを捧げる場所ですので、ここでは特に神に感謝申し上げたいと思います。神はフィリップをこの伝道にお召しになり、フィリップが日本で暮らしていた間ずっとフィリップと一緒にいて下さいました。感謝申し上げます。

私たちは遺灰の一部が日本の地に眠ることは、とてもフィリップにふさわしいことだと考えています。フィリップもきっとそう思っていることでしょう。ある意味で、フィリップは日本に帰るのです。フィリップは再びみなさんと一緒になるのです。フィリップが永久に日本に根を下ろすことになり、とりわけみなさんの心に永遠に生きることになるのです。フィリップがよく口にしていた次のフレーズが具現化することになるのです。

"日本が僕の故郷(ふるさと)。カナダには旅行に来ました"

本日は、多数ご参列いただき、まことにありがとうございました。
一緒にフィリップを偲んでいただき、ありがとうございました。
みなさんがフィリップに寄せて下さったご厚情に心から感謝申し上げます。

レアル、スザンヌ、ブラザー・モーリス

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